2015年 重陽の節句

  社会福祉法人 しみんふくし滋賀

2015年09月25日 09:00

2015年 『重陽の節句 ~白拍子~ 』

2015年9月9日(水)に『重陽の節句』を開催しました。

【出演者】 
 井上 由理子 さん(白拍子舞人)
  白拍子の芸能を舞、歌、楽、語り等によって創作。『平家物語』等の古典作品を
 はじめ、宮沢賢治の世界観や神社縁起ゆかりの作品などを演じる。
  様々な著書も出版され、流儀を持たず遊行の芸能者として活動する。    
                                                             菊の着綿

 伊藤 えり さん(笙の演奏)
  多忠磨、多忠輝、芝祐靖、松井北斗、宮田まゆみの各師に師事。天皇皇后両陛下ご観覧の公演や海外公演にも
 参加。またスタンフォード大学のセミナーにて雅楽の講義を行う。
  現在は雅楽の源流に触れながら笙や雅楽の現代性にも注目、紹介・普及に努める。

【内容】
 演目は『祇王』と『重陽』の2つ。舞や語りの間に白拍子の説明もあり、野間邸の大広間に響く琵琶や笙の音色、語り、舞、衣擦れの音に至るまで聴く人を釘付けにします。白拍子の説明も、流れるような所作とどことなく儚げで落ち着いた声でそれ自体が一つの演目であるようでした。
 舞の井上さんが退出され、菊のお香を焚いて再登場された時は、優しい菊の香りが大広間に広がり、白拍子の世界にさらに引き込まれていきます。重陽の節句では菊についた朝露を綿でとり(菊の着綿)、その綿で体を拭き長寿を祈ります。井上さんから「本日お越しいただいた皆様の長寿をお祈りします」とお言葉がありました。



 演奏の後、お二人から笙の紹介と今日の演奏の説明がありました。笙は1400年の歴史がある日本最古の楽器で、昔は高貴な人しかさわれない貴重なものでした。東大寺正倉院には今も当時の笙が保管され、音も昔のまま変わってないとか。ただ笙はとても繊細な楽器で演奏前や演奏中、演奏後に温めてリードの湿気をとらないと綺麗な音が出ないなどのお話しがありました。
 歌の紹介では『越天楽』には三調子あり、今回は『盤渉調(ばんしきちょう)』であったとのこと。越天楽は三調子ですが『調』は六調子あり、『盤渉調調子』の他に『壱越調調子(いちこつちょうのちょうし)』、『平調調子(ひようじようのちょうし)』などがあります。各『調』は自然・宇宙・臓器にまで例えられていて『平調調子』は秋の季節を表します。

【お食事】
 今回もしみんふくし滋賀の給食事業『キッチンゆうゆう』の職員が腕によりをかけた料理を皆さんに召し上がって頂きました。重陽の節句にちなんで食用菊を使った菊御膳。見た目も美しくめずらしいもので「初めて食べました!!」、「とってもきれいですね!!」と皆さんに喜んで頂けました。もちろん「美味しい!!」と大好評。皆さんの笑い声で溢れた楽しい食事会となりました。












 当日は台風で朝から雨が強かったのですが、イベント中は降らず静かな空間で舞と演奏を楽しめました。演者の方からも「野間邸の雰囲気が良く楽しく演奏出来ました」と喜んで頂けました。お客さまからも「こんな楽しいイベントをされてたなんて知りませんでした!!また何かあれば教えて下さいね」とお声を頂きました。
 これからも皆さんに喜んで頂けるよういろいろなイベントを企画してまいりますので、宜しくお願い致します!!


 さて、次回のイベントは
2015年10月17日(土)『第11回野間邸寄席』です!!。お馴染となりました桂米平さんをはじめ7代目月亭文都さん、桂米輝さんの3名。月亭文都さんは「なにわ芸術祭最優秀新人賞」の他、様々な賞を受賞。誠実さをモットーに幅広い年齢層に対応した芸を追求されています!!桂米輝さんは桂米團治の弟子。簡単なピアノの修理も出来るなど多才な方。1デシベルでも多くの笑い声を浴びれるようにと日々精進されています。このようなプロの噺家による野間邸寄席!!毎回皆さんの大きな笑い声で会場が揺れています!!是非ともお誘い合わせのうえお越し下さい!!
 詳しい情報は随時ホームページに掲載しますので、どうぞお誘い合わせのうえお越し下さいますようお願いします。皆さんと一緒に楽しいひと時を過ごせますよう、心よりお待ちしております。
※詳しくはこちらをクリック!!

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